プロジェクトの背景

深刻な教育格差と指導機会の喪失

我が国には貧困が理由で教育を受ける機会に恵まれない子どもが数多くいます。
その一方で離職する教育従事者は後を絶ちません。
下記データが示す通り、このふたつの問題は既に深刻な段階にまで達しています。

日本の子どもの貧困率は約7人にひとり(13.5%)という現実

貧困が招く大きな問題のひとつが教育格差です。

教育格差には学校外教育が大きくかかわっています。

学校外教育とは、つまり塾や習い事です。

ここで言う貧困は、例えば3人世帯で手取り総額が約220万円に満たない世帯です。

貧困世帯が学校外教育費を捻出することは、極めて困難であることがおわかりいただけるでしょう。

  • 貧困の定義は厚生労働省が実施する国民生活基礎調査に準拠します。貧困線を等価可処分所得(いわゆる手取り)の中央値の50%とし、2018年調査では一世帯での手取りが2人世帯で約180万円、3人世帯で約220万円、4人世帯で約254万円が貧困線となります。なおユニセフでは等価可処分所得中央値の60%を貧困線としており、これに従えば同時期の子供の貧困率は18.8%に上ります。

こちらのグラフは2017年の調査結果ですが、世帯収入と子どもの学力の関係を如実に表すデータとしてよく知られています。

小学6年生と中学3年生を対象に国語と算数(数学)それぞれ2種類(Aは知識問題、Bは知識の活用問題)の学力テストが行われましたが、収入格差がそのまま学力格差に直結していることがわかります。

この大きなハンディキャップは、子ども達の「努力」だけに委ねられる問題ではありません。

子どもは、それぞれの家庭にとって大切な存在であるばかりでなく、将来の社会を担う人材予備軍です。

子どもの貧困を放置することによる社会的損失は40兆円に上るという、驚くべき試算があります。

三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社

教育格差は学歴格差となり、やがて収入格差となって現れます。そして格差は次の世代に持ち越されるという連鎖が生じるのです。

教育・学習支援業の大卒3年以内離職率45.6%

子どもの教育格差が拡大する一方で、教育従事者の離職率は極めて高い値です。

これには様々な要因が考えられますが、最大の要因はやはり少子化と言えるでしょう。

塾や教室の収入源は、言うまでもなく生徒から受け取る授業料ですが、生徒の多くを占める青少年人口の減少はこれまでの「集客型ビジネスモデル」を難しくしています。

また2020年から猛威を振るうコロナ禍が、離職に拍車をかけていることは論を俟ちません。

  • 厚生労働省が実施する2020年上半期雇用動向調査結果によれば、産業別離職率において「教育・学習支援業」離職率12.2%は「宿泊業、飲食サービス業」に次いで全産業中ワースト2位です。また同じく厚生労働省の調査によれば2017年大卒就職者の3年以内離職率は45.6%となっており、全産業の同離職率32.8%を大きく上回っています。これも「宿泊業、飲食サービス業」「生活関連サービス業・娯楽業」に次ぐワースト3位です。

教育従事者は、それまでに辿らねばならない道程を考えても、その多くは堅実なキャリアプランを持って職に臨んだと考えてよいでしょう。

しかしそれを許さない現実があります。

教育に対する熱意と力量が失われた訳でないにもかかわらず、職を離れざるを得ない人材が少なくありません。
特に若い教育従事者の離職は深刻で、近い将来に教育人材不足という事態を招くことになります。

ふたつの社会問題を表裏と捉えることで…

教育機会に恵まれない子ども達が数多くいる一方で、志半ばで教育現場から離れる教育従事者が後を絶たないという現状に矛盾を感じる人は少なくないでしょう。

一見別々に存在するふたつの社会問題、これらを表裏一体の問題と捉えることで新しい仕組み作りができるのではないか、という思いがオシエビトプロジェクトのきっかけとなりました。

そのためには社会全体の支援という触媒がどうしても必要です。

現在この問題に関心のない方にいかに関心を持っていただくか?
そのために当プロジェクトで掲げた方針は以下の通りです。

  • プロジェクトに賛同する教育者・指導者(=オシエビト)を組織化すること
  • 社会的意義と実現性を兼ね備えたミッションを設けること
  • メディアを通じてオシエビトの活動を広く伝えること
  • 活動の進捗を可視化すること
  • コンプライアンスを徹底すること
  • 子どものプライバシーに細心の注意を払うこと

当プロジェクトが社会的支援を得て教育従事者の経済的不安を軽減できれば、長期的視点に立った指導が可能になります。

子どもにとって、自分の将来まで視野に入れて寄り添ってくれる先生は心強い存在に違いありません。

そして、それは教育従事者の離職に歯止めをかけることにもなるのです。

また、当プロジェクトによって、今まで潜在化していた優れた教育者・指導者を顕在化させることになります。ミッションに対する進捗を可視化するということは、必然的にその指導力を公表することになるのです。

オシエビトの特徴(学習指導の場合)

現状は…
  • 学校や多人数制集団指導塾での多人数相手の指導では結果責任を持つことが困難
  • 少人数制/個別指導の授業料は高額
  • 経営者側の集客自体が困難
オシエビトは…
  • クラウドファンディングによる資金調達という新たな収入源を持つことで、長期的視点に立った指導が可能
  • 適正人数による指導を行うことで結果責任を持つことが可能
  • 教育格差是正という高い社会貢献意識がやりがいを形成
  • 異分野交流を豊かにし、イノベーションを促進
  • 支援者をセルフメディアに誘導することが可能